INTELLECTUAL PROPERTY

知的財産・よくある質問

著作権

Q 著作物とは何ですか?

A 著作権法で保護される「著作物」とは、「思想、感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」をいいます。「創作的に表現したもの」であるので、たとえば他人のアニメや俳句を単に書き写したもの等は含まれません。それらは複製物といい、著作物とは区別しています。そこで「思想、感情を創作的に表現したもの」であれば、たとえ子どもが書いた絵、作文、彫刻であっても、上手下手は関係なく著作物ということができます。
著作物を創作した著作者には著作権が発生します。著作権を保有する人に無断で著作物を利用することはできません。

Q  学園祭で演劇や音楽の演奏を行なうときに、著作権の侵害になりますか?

A 演劇、演奏が非営利で行なわれ、観客から料金を受けず、演劇者、演奏者に報酬が支払われなければ著作権者の許諾はいりません。

Q ホームページや写真などの下に丸の中に(C)の表示と名前、年号がよく書いてありますがあれは何ですか?

A 著作物を創作した段階で著作者には著作権が自動的に付与されます。権利を取得するために登録する必要はありません。
ただし、著作権登録制度は、その目的とは別の理由で設けられています。

Q 同じ楽曲のレコード・CDの価格に差があることで、問題が生じないのですか?

A 同じ楽曲のレコード・CDが安く買えるなら、消費者にとっては歓迎すべきことかも知れません。
しかし、逆輸入されたレコード・CDが安く販売されることにより、本来売れるべき国内盤が売れなくなり、作詞家や作曲家、歌手・レコード会社などの経済的利益に大きな影響を与える事態が生じています。

知的資産経営

Q「知的資産経営」とは、どういうものですか?

A「知的資産経営」とは、財務諸表(PL、BS等)には表れない「企業等の無形の魅力、強み(知的資産)」を把握し、利害関係者であるステークホルダー(取引先、金融機関、株主、顧客、従業員、就職希望者等)に見える形で開示、もしくはステークホルダー向けに活用し、ステークホルダーからの信頼を得て経営の発展に役立てる経営のことです。

企業、特に中小企業の競争力は、財務データのように表面に見えるものだけでなく、その会社が有している「無形の魅力、強み(知的資産)」が縁の下の力持ちのように支えていることが多いのです。
しかし、企業が有している知的資産のなかでも、権利化された知的財産権以外の知的資産は、外部からは見えにくく、内部からもその存在が意識されず、これを積極的に経営資源として活用しなければ、「宝の持ち腐れ」になってしまいます。

そこで、そういう知的資産を積極的に外部に見える形にして、意識的に経営資源として活用する経営方法を「知的資産経営」と呼んでいます。
「知的資産経営」は、いまある「無形の魅力、強み(知的資産)」を意識し、活用するものですから、今日からでも取組むことができるものです。
ですから、「知的資産経営」は、特に中小企業に適した経営手法であるといえます。

Q「知的資産経営報告書」とは、どのようなものですか?

A 近年、政府の中小企業支援政策として「知的資産経営」の導入が積極的に推進され、「知的資産経営報告書」を作成し公表する企業が増えつつあります。しかし、まだ全国的に普及するまでには至っていません。今、知的資産経営報告書を開示している中小企業は、それだけ先進的・積極的な経営姿勢の企業として高く評価されています。

Q「知的資産経営報告書」を当該中小企業が自ら作成する場合と行政書士等の作成支援者に協力を依頼する場合とを比較したときに、どのような違いがありますか?

A 本来、知的資産経営報告書は企業の知的資産経営の成果を開示するものですから、その企業自ら作成することが望ましいといえます。
しかし、行政書士等の外部専門家が、作成支援者として関与したときには、以下のようなメリットがあります。
・経営者が気づかない知的資産の抽出
・第三者の視点による客観性公平性の確保
・文書化の専門家が提供する分かりやすさ
・論理性、ストーリー性の確保
・信頼性につながるKPIの掘り起こし
・人的資産の構造資産化の支援
(人的資産:個人の優れた能力等をいいますが、退職時には持ち出されます。)
(構造資産又は組織資産:組織や会社に属する資産、退職しても会社に残ります。)
・公開性と秘密性に関する提案
・営業秘密保護に関する具体的提案
(不正競争防止法による保護、公証制度の活用等)
・今後の経営課題を明らかにし、検証・改善のご支援
・共感を生む報告書、感動が伝わる報告書となるような工夫

※KPI(Key Performance Indicators):主要な業績評価の指標
販売、財務、サービス、技術等のレベルを示すための指標
処理時間、稼働率、業務の効率、品質を客観的に表現する数値化された指標等

地理的表示

Q 農産物の加工を行う事業者です。「地理的表示」が保護されるようになると聞きましたが、「地理的表示」とはどのような制度ですか?

A「地理的表示」とは、2014年6月に成立した「特定農林水産物等の名称の保護に関する法律※1」によって保護されることになった「農林水産物・食品等※2」の名称であって、その名称から当該産品の品質等の特性が産地と結びついているということを特定できるものをいいます。

農山漁村地域では、長年培われた特別の生産方法などにより、高い品質と評価を獲得するに至った産品が多く存在しますが、これまでその価値を有する産品の品質を評価し、地域共有の知的財産として保護する制度がなかったため、地域で育まれた伝統と特性を有する農林水産物・食品のうち、品質等の特性が産地と結び付いており、その結び付きを特定できるような名称が付されているものについて、その名称を「地理的表示」として国に登録し、知的財産として保護する制度が創設されたのです。

「地理的表示」は、具体的には、「地名+産品名」で構成されます。単に「地名と産品名」を並べただけではダメで、その産品の品質等が産地と結びついていることが条件となります。 保護を受けるためには、農林水産省に「地理的表示」と「産品の産地に結びついた品質等の特性」とを合わせて申請し、登録を受けます。 なお、酒類、医薬品等は、登録の対象とはなりません。

※1 地理的表示法(略称)
※2 特定農林水産物

Q「地理的表示」は、「農林水産物・食品等の名称から当該産品の産地と結びついているということを特定できるもの」とのことですが、例をあげて説明してください。

A たとえば「鹿児島黒酢」は、「主成分の酢酸のほかに多種類の有機酸を含み、特有の香りまろやかな酸味を有する」ことや「熟成期間に応じて、黄〜こはく色を呈する」という産品の特徴を有しており、これが「鹿児島の、微生物の活動に適した寒暖差が少ない温暖な気候、米・麹・水のみを薩摩焼の壺に入れ、1年以上の発酵・熟成工程が屋外に置いた同一の壷の中で自然に進行する、江戸時代後期からの伝統的な製法」という「地域との結びつき」が認められるものとなっています。

海外では、イタリアのパルマ地方の豚モモ肉と塩のみを原料とした生ハムについて「プロシュート・ディ・パルマ」の地理的表示が使用されていることは有名です。「アペニン山脈から丘陵に吹くそよ風が空気を乾燥させ、伝統的な製法で、何世紀にもわたり、生ハムの製造を可能にしてきた。」という地域との結びつきが認められるものです。

Q「地名+産品名」という構成でありながら、「産品名」と「地域との結びつき」が認められないものには、どんなものがありますか?

A たとえば「小松菜」はアブラナ科の野菜ですが、この名称は東京都江戸川区の小松川に由来しています。ところが現在では、小松菜は東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県等で全国の約8割が生産され、福岡県、大阪府でも生産されており、たとえ地名を含んでいたとしても「地域との結びつきの乏しい産品の普通名称」であるときは、「地理的表示」として登録できません。
「さつまいも」(薩摩芋)も同様の理由により登録できないと考えられます。

Q「地理的表示」の登録を希望する場合、誰に相談したらよいですか?

A 地理的表示の登録制度は、平成27年6月1日から施行されています。農林水産省への登録手続は、行政書士が専門に取り扱っています。
地理的表示登録申請には、申請する団体の定款等の作成、申請書、事業者毎に明細書や生産工程管理業務規程等が必要です。また、登録商標との調整が必要になる場合があります。
農林水産物や食品について「地理的表示」の登録を希望される場合や、「地域ブランド化」を望まれる場合は、知的財産業務を専門とする行政書士にご相談下さい。